A-YA-KA-SHI☆バスター!!
 同時に、店のドアに何かがぶつかったような音がした。
 おそるおそる見ると、誰かがドアに背中を向けてもたれかかっている。
 一瞬怯んだが、思い直して美樹はさっき閉めたばかりの鍵を開けた。
 同時にその人物はよろめいて、その場に崩れるように座り込む。


「だっ・・・大丈夫ですか!?」


 いきなりのことに、美樹は慌ててその人の肩を支える。
 髪はショートで、痩せ型。
 下を向いているので、一瞬だけ、この人が男なのか女なのか分からなかった。


「・・・チッ」


 聞いたのは、舌打ち。
 なんかヤバい人なのかと、美樹はその肩から手を離す。
 すると、その人はいきなり立ち上がった。
 今度こそ、一歩後ずさる。


「・・・あ、あの・・・」
「あ。ごめん」


 やっと美樹に気が付いた様子で、その人物はこっちを振り返った。
 その顔立ちを見て、今更ながら女性だと確信する。


「何か・・・あったんですか?」


 少し安心して、美樹は彼女に声をかけた。
 だがまるで、彼女はこっちの言葉など聞こえてはいないようだった。
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