A-YA-KA-SHI☆バスター!!
「はははっ! 友達かぁ・・・そうだよな、それはかなり効果あるよ」
「だって、当たり前でしょ?」


 まさか、彩は今まで、自分のことを友達だとは思っていなかったのだろうか。


「いや、彩は『友達』っていう人間との関わり方を、極端に知らないだけだよ。だから、その言葉にめっちゃ弱いんだ」
「そうなの?」


 あれだけ社交的そうに見えるのに。


「うん。昔から、ね」


 そう言った悠の顔が、少し曇る。


「じゃ、決めたわ」


 いきなり気合いを入れる美樹を、悠は見つめた。


「彩がわたしを一番の友達だって認めてくれるように、頑張っちゃう!」


 小さく握りこぶしで言い切る美樹に悠は近づいて、その頭をぽんぽん、と撫でた。


「ありがと、美樹ちゃん」


 身長差を縮めるように屈み込み、悠はお礼を言った。
 あまりの至近距離に、美樹は少し、赤面する。


「でも彩、あれでいてかなり頑固だから。頑張って」
「分かってます」


 そう言って、二人は笑う。
 これでまたひとつ、彩のことが分かった。
 そうやって少しずつ、分かり合えていけばいい。
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