Realtime:kiss
強くなる心
あれから、数週間が過ぎた。


明日は、念願かなって、いよいよ蒼佑の家に引っ越す。

バタバタとプライベートは忙しかったが、私の日常はあまり変わりはない。

強いて言えば、会社での、女性社員からの風当たりが少し緩まった事。

去るもの日々に疎し…

正に今の状況はその言葉がぴったりだった。


蒼佑が発ったその週の土曜日、私は実家に戻り、両親に頭を下げた。


「奈緒って見かけに依らず結構大胆なのね!
お母さんは賛成、あんなイケメン君が、未来の娘婿だと思ったら、何だかワクワクしちゃう」

母は大喜びで賛成してくれたが、父はそうではなかった。

「ダメだダメだダメだ!
どこの馬の骨とも分からん奴に大事な娘をやれるか!」


だから、やらなくていいから…


そんな話をしてるんじゃないって…と、心の中で突っ込みを入れながら、ただひたすら頭を下げた。


「奈緒?お父さんの事はどうでもいいじゃない!奈緒がしたいようにすればいいのよぉ、だって、もう大人でしょ?自分の言動に責任持てれば、ね?」


そんな母の一言に後押しされ、明日の運びとなった。






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