涙恋~片思い恋愛〜
「じゃあ、どうしたらいいんだよ⁉」


自分でも驚くほど大きな声が出た。

そんな声とは矛盾して、俺は震えている。


涼太が言うように、人が傷ついていたら。

美奈が傷ついていたらー。

そう思うだけで、震えてしまう。


でも、美奈は傷つかないのだろうー…

俺のことなど、何とも思っていないのだからー…

俺が、美奈のことを好きな気持ちなんて、これっぽっちも知らないんだからー...


「自分で考えろ、そのくらい。

もしも、お前が美奈ちゃんを泣かせることがあったらなー…

俺は美奈ちゃんを奪うぞ。

そして、拓真のことは許さない。」


凛としていて、かっこいい声だった。

美奈を泣かせることがあったらー...


俺だって美奈を泣かせたりなんかしない。

その時は、俺は自分で自分を許さないー。
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