涙恋~片思い恋愛〜
だけど、俺はー...

美奈と涼太の幸せそうな笑顔を隠れて見続けることはできない。

そう感じた瞬間だった。


俺が公園を抜けだし、家へ向かって全力疾走していたのは。


走っている時、ずっと考え続けていた。

もし、あの時、涼太よりも先にあの公園についていたのなら、美奈の隣にいたのは俺だったのかもしれない。



そう考えると、自分の無力さに、泣きそうになる。

だけど、それをこらえるように、俺は走り続けた。



「ただいま。」


俺は、家に着くと自分の部屋へと急いだ。

部屋に入ると、たまっていた涙があふれ出してきた。


泣いてることが分からないように、部屋のかぎを閉め、声を殺しながら泣いた。

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