恋愛記念日(恋愛短編集)



「さっきアンタにはあげたでしょ!」



 直子がパシィッと玲ちゃんの手を叩いた。



「いだぁっ!直子の鬼!これでけがしたらどうしてくれるんだよ!」



 玲ちゃんが大騒ぎする。なんか、三年ぶりだなぁ、この光景も。



「玲汰くん、演奏の続き始めるわよ」



 先生が穏やかな微笑みを浮かべながら。



「へ~~い」


 玲ちゃんは、だるそうにピアノに戻って行った。




< 115 / 175 >

この作品をシェア

pagetop