ALiCe


「!?」


案の定彼女は気づいてなかったらしく、びくっと体を震わせてこっちを見てきた。

見てきたってゆうか…睨んできた?



「だ」

「ちっ、近づいてこないで!」


大丈夫?と言おうとした言葉は遮られ、彼女は驚くほどすばやく立ち上がり私から離れた。


それはもうほんとに一瞬で。


「えーっと…」

「もう今度こそ城になんか戻らない!あんなところにいたら…」

「ちょ、ちょっと落ち着いて」

< 65 / 96 >

この作品をシェア

pagetop