キラリ
千明は、そういう努力を全っ然しない。


髪型にも服装にも持ち物にも、飾り気が本っ当に無い。


360度どこから見ても、中学の頃の垢抜けない感じのままである。


――きっと、まだ彼氏が出来た事も無いんだろうな

と、私は千明に気付かれないように小さく鼻で笑った。



1年のときからクラスは別々で

2年生になった今、私は理系クラスの5組、千明は文系クラスの1組なので、学校に着いてからはほとんど会う事も無い。


そして、時々休み時間に姿を見掛けたりすると

――千明が、同じように飾り気の無い地味な感じの女子生徒3人くらいと連れ立って歩いているのを見ると――

私とこの人は違う世界の住人なんだと、強く実感した。
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