キラリ
輝姫は私の顔を睨んだまま、足元に転がったカッターナイフを手に取ると

這うようにしてこちらに近付いて来た。



輝姫はもう、輝姫ではなかった。


憎しみ、怒り、執念

そういう感情そのものになってしまったのだ。


それが私を狙い、追い詰め

鎌首をもたげようとしている。



――今度こそ殺される……!


そう思った私は咄嗟に

こちらへ躍りかかろうとする輝姫の顔を思い切り、右足で突き飛ばした。



輝姫の体がぐらりと後ろに傾き、バランスを失って頭から倒れ


……それきり、動かなくなった。




不気味な音を立てて、吹雪が校庭を走り抜けて行った。
< 163 / 169 >

この作品をシェア

pagetop