キラリ
毎朝、一緒に登校している。



私の家の方が学校に近いので、いつも輝姫がうちに寄って私を誘い、それから一緒に登校するのだ。



学校までは、自転車に乗ってだらだらと会話をしながら10分ほどである。




今朝も、いつもと同じ時間に玄関のインターホンが鳴った。


輝姫が私を迎えに来たのだ。



ドアを開けると、冷たい風が吹き込んできた。


すっかり秋である。



輝姫は上品なピンクの千鳥格子のマフラーを、ふわりと首に巻いていた。


小さな顔を縁取る、背中まで伸ばした艶やかな黒い髪。


すらりとしたモデルのような体つき。



「おはよう……」


長いまつ毛を伏せ、心なしか声に元気が無い輝姫。


一応

「元気無いね。どうしたの?」

と訊いてみる。



「何でもない」


輝姫がそう答えたので

「ふーん。

じゃ、行こっか」

と、私は自転車を走らせた。


輝姫もそれに続く。
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