キラリ
そういえば、こんな事もあった。




2年生に進級してまだ間もないある日。



登校中に輝姫から

「なんかね、ある男子が私の事好きなんだって。

名前は言えないんだけど文系のイケメンで……

あ、でもたぶん千明は知らないだろうなぁ」

という話を聞かされた。



「告られたんだ?」


「いや、まだなんだけど

私ほら、彼氏いるし……」


「ただの噂なら真に受けない方がいいと思う。


あと、文系のイケメンって2組の斎藤くん?

あの人うちのクラスに彼女いるよ」


それを聞いた輝姫は、途端に不愉快そうな表情になった。


「本当は私の事が好きなんだけど、なんか近寄りがたいんだって。

ってか、斎藤くんの彼女って誰?」


何となく、本人のいないところでこういったプライバシーに関わる話をする事はためらわれたので

「まぁ、誰でもいいじゃん」

と、適当にかわそうとしたのだが、輝姫は引き下がらなかった。


というか、そんな私の態度がかえって気に入らなかったようだ。


「誰なの?

そこまで言ったからには
ちゃんとはっきりさせて!」


なぜかすごい剣幕でそう言われ、私は仕方無く、斎藤くんの彼女の名前を輝姫に教えたのだった。
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