キラリ
ごく自然に私とその男子生徒は、並んで校舎へと歩いて行った。



「前にさ、第2音楽室でピアノ弾いてたよね」


「えっ」


どうして知っているのだろう。



私があまりに露骨に、相手を怪しむような顔をしたからだろう。


その男子生徒は

「いや、別に覗くつもりは無かったんだけどさ。

何か、外にいたらピアノが聞こえてきて、すげー上手いから誰が弾いてんのかなって、ちょっと気になって……」

と、慌てた様子で弁解した。
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