放送部からお伝えします

混合+協力



「竜也の母さんなんだよ…」


窓に向かって投げた言葉。

かなめからは何も返って来ない。




「川岸さんは……竜也の母さんなんだよ……」


自分でも、声がかすれているのが分かる。



川岸さんに会って、俺は今自分の部屋にいる。

カーテンを閉めててよかった。

かなめにこんな顔を見られずに済む。



「嘘、だろ…?…」


やっと聞こえてきたかなめの声は、相当驚いてるようだった。

俺は何も言えず、俯いた。



「じゃあ……事件追ってたのは……」


震えていて、かなめは俺と同じように、人に聞かせられるような声じゃなかった。




「全部……竜也のためだったのか……?」



戸惑いながら喋るかなめ。

俺も最初、川岸さんが竜也の母親だなんて信じられなかった。









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