お腹が空きました。


チッと舌打ちまで繰り出された紗耶は、痛いところを付かれて思わずシュンとする。

でも脳裏をかすめるのはあの良介の「しまった」というような顔で。




ぐっと黙ったまま唇を噛む紗耶に、杉崎は少し焦って視線をそらした。


「まあ、あれだ、別にそんな事しなくてもいいんじゃないか?」

頭に手をやり、右へ顔を向けながら杉崎はボソッと呟いた。


「え、私細くみえます?」

バッと目を輝かせながら顔を上げた紗耶に杉崎は真顔で答える。


「いや普通。」





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