お腹が空きました。


杉崎はニィ…っ、と魔界的な微笑みを口元に宿し、紗耶に取っては地獄行きのような言葉を下した。


「三食はいつも通り食え。ただし、おやつ禁止。甘いもの禁止。休憩時間のコンビニ禁止。」


「え、えええええーっ!」


紗耶は背筋をぐんと伸ばして悲痛な声を出した。

「やっ!無理です無理です甘いもの禁止って…、ゲーマーにゲーム禁止とか、脱水症状の人に水禁止って言ってるようなもんですよ!」


「…お前、脱水症状の人に水禁止したら死ぬだろうがよ。」


「お ん な じ 事 で すー ~ ~っ」


無理、絶対無理!皮肉にも、今回の事で更に甘いものに対しての執着は高まってしまったのだ。

到底そんな約束は守れそうにもない。

ジタバタ暴れる紗耶に、まぁ待てと杉崎は手のひらを突き出した。


「別に死ねとはいってねぇ。自分で買ったりすんのは禁止と言うことだ。」

「…?」


意味が分からない、と紗耶は怪訝な顔を返す。


「腹がすいたら、俺に言え。そうしたら俺はもっと焼ける。この趣味は食いきらないと次に行けないからな。」




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