恋……スル?-菅野 聡 編-
(電話…っ
まさか、聡からなんじゃあ…!?)



私は急いでバッグを開けると、ケータイを取り出して耳にあてた。



「もしもし、聡…」

『梅津ー!!
お前、今何時だと思ってるんだー!!』



思い切り耳に押し当てるようにしていたケータイからは、予定外の人物の声が聞こえてきた。


て言うかそんな大声で怒鳴られちゃ、耳がぁっ!



「せ…専務…っ?」



キーンとする耳を指でグリグリとしながら、私はケータイを持ち替えて今度は反対の耳にあてた。



『せ…専務…っ?じゃない!
お前は出勤時間すらも守れんのか!』



「出勤時間……あっ!」



一度ケータイを耳から離し時計を確認すると、既に3分を経過していた。


しまった。
聡を追いかける事に夢中になって、仕事の事を忘れてたぁ!

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