恋……スル?-菅野 聡 編-
「はい、480円のお返しですー」



「あ…」



いつまでもお財布に手を突っ込んでいる私に、コンビニの店員さんがお釣りを差し出した。


すぐにお財布から手を抜くと、私は差し出されたお釣りを受け取って中にしまった。



「はいありがとうございまーす」



「あ…はい」



まるで用が済んだらさっさと帰れと言わんばかりに、レジ袋に包まれたお弁当が私に差し出された。



レジのカウンターにはレシートなんかを捨てる小さなゴミ箱があるから、そこにアレを捨てて帰ってもよかったんだけど。

そんなに急かされちゃ私も早く立ち退かなきゃと、ついレジ袋を持ってそそくさとコンビニを出てしまったわけだ。




(ん…捨てそびれちゃったな)



結局お財布に入れっぱなしになってしまった事に半ばホッとする。

と、そんな私の背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。


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