恋……スル?-菅野 聡 編-
「………………………
…あれ、心晴ちゃん?」



「……………!」



文句を言いに来たつもりがいつの間にか聴き入っていて、目の前まで来た私の姿に気付いた彼がギターを弾く手を止めた。



「あ、えっと…」



「へぇ。
連絡くれる代わりに、わざわざ会いに来てくれたんだ」



ニカッと笑って見せるその顔に、思わずドキッとした。

え、何で?



「そ そんなわけないでしょ!
て言うか、こんな時間にこんな所で何やってんのよ。
近所迷惑でしょ、リュウジ!」



「あ、ようやく俺の事、名前で呼んでくれたね」



「――っ!」



文句を言いに来たハズなのに、すっかりリュウジのペースに乗せられちゃって調子狂っちゃう。


ダメよ!
所詮はナンパ男なんだから、ビシッと言ってやらなくちゃ!

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