わたしのピンクの錠剤
 
「あいかちゃんは二重人格なの?」

心配そうなおばあさんの声が聞こえた。

わたしは親父の膝の上に頭をのせ、目は閉じたままでいる。


「実は達哉も二重人格だったのよ」

その言葉に私はピクンと反応する。



居ても立ってもいられず上体を起こした。

「それ、本当なんですか」

おばあさんは突然起き上がった私に驚き、目を凝らして私の瞳を見つめた。

「あなたはあいかちゃん?」

「・・いえ、・・偽物の方です」


「そんな風に言わなくてもいいじゃない。戻ってきたの?」

「はい、わたしが心配で・・」


「そうよね、あなたはあいかちゃんの一番の味方だもんね」


私はなんて答えていいのかわからずに首を横に振るしかなかった。




「あいかはどうした」

「えっ、あいか?」



わ、私、なんてことを・・。

勝手にわたしの身体を・・・、どうしよう。


 
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