磯野くんと花沢さん
歓喜に歓声。
無粋な男子どもの声は、クラス女子一同のキラキラに敵うはずもなく。
「やだ、お似合い‼」
「ありがとう」
私は京子と抱き合った。
花沢さん、と言ってくれた親友。
チャイムが鳴り、席に散らばる途中、
「今日から一緒に帰るぞ」
「…うん」
頷いた。
まだドキドキしている。
ついつい口角が上がるのを止められない。
ありがとうと言いたい。
花沢さんに。
私が花沢だったから、磯野君が磯野だったから、お互いに興味を持ったんだよね。
ありがとう、花沢さん。
あなたもガンバってね。