君の涙にキスを ～燐＆蓮編～

過保護な婚約者

≪澪side≫

私の婚約者は、ものすごく心配性で過保護なの。


私の身体を気遣ってくれてるのは分かるんだけど・・・


この前だって―――――


部屋の掃除をしてきた時、ちょっとだけホコリが喉に入って咳き込んだの。

コホッコホッ・・・

「大丈夫か？澪。」

少し離れた場所で、読書をしていたはずの蓮が慌てて近づいてきて

「どこか苦しいのか？ちょっと休め。後はやるから。」

なんて、私をソファに座らせて

蓮は、掃除を始めた。


「蓮。大丈夫よ？ちょっとホコリで咳をしただけだから。」

「ダメだ。俺がやるから。」

「ちょっと、蓮。」

最初は、ちょっと嬉しかったのよ？

でもねこれが毎回毎回になると、ちょっと悲しくなるの。

だって、心配というより信用してくれていないように感じて。