君の涙にキスを ~燐&蓮編~
Ⅲ.月夜の秘密

そんな毎日を過ごすたび

雪兎は、俺達に慣れてきたのか

少しずつ、自分の事を話してくれた。

もちろん、それは優に話す事が多かったけど・・・


ただ、俺は雪兎よりも

麻子さんの事が、気になり始めていた――――――


毎日、看護師と言うハードな仕事をしているのに

泣き事も、辛い顔もしない。

いつも笑顔でいる。

患者さんとも、冗談を言ったりしながら

毎日をテキパキとこなしている。


ただ、時折ほんの少しの時間

姿を消すことがあった。

それは、決まって誰かが亡くなった日の夜だった―――――
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