君の涙にキスを ~燐&蓮編~
でも、ある日。

いつもと同じように、親に連れられて澪の屋敷に行った時だった。

澪が倒れて、ずっと寝ていると聞かされた。


部屋に行くと、澪は上半身を起こし

羨ましそうに窓の外を見つめていた。


そんな彼女に、何故だか胸がギュッと掴まれたような気がして

何かしてやりたいと思った。


幼い俺は、それが何なのか分からなった。




今思えばあの時、恋に落ちていたんだ。

澪に―――――。
< 89 / 131 >

この作品をシェア

pagetop