赤い月 弍
死ぬまで踊り続けさせて

遠ざかる大吾と祥子の笑い声を聞きながら、取り残された景時がようやくスニーカーを脱いで部屋に上がると、うさぎはやれやれという様子で変化を解き、キッチンボードからマグカップを取り出していた。

コーヒーメーカーから湯気のたつコーヒーを注ぎ入れ、ブラックのまま景時に手渡す。


「ご苦労であったな。」


「ありがと。
や… おもしろかったケド…
祥子ちゃんのアレ、どーゆーコト?」


さっき見た非ギャル祥子を思い出しながらダイニングチェアに腰を下ろした景時は、うさぎに問いかけた。

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