赤い月 弍

些細なことなのに、嬉しくてしょうがない。


「俺ン家。
隠れ家、提供するって言ったでショ?」


よいしょ、と景時は小柄なうさぎを抱えたまま立ち上がった。


「本気なのか?
追っ手と言っても、妾の身を脅かすような奴では…」


「うさぎ、バイク知ってる?」


「いや、知らぬ。
ちょっと妾の話を…」


「キモチイイよー。
後ろに乗せたげるから。」


「景時!! 話を聞け!!」

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