Diva~見失った瞬間から~

「あ、奏乃ちゃんおはよー!」

すれ違うスタッフさん達は

私に挨拶してくれる。


「おはようございます。」


「顔赤いよ。寒かったー?」


「はい、とても。」

何かしらの機材を持っている

女性スタッフ。

…モデル雑誌の撮影かな多分。


「奏乃ちゃん?今日はどこに?」


「あ、今日も同じです。」


「そっか!頑張ってね。」

そのスタッフさんは笑顔で返事をする。


「もう12月20日だー。

もうすぐクリスマスだよ奏乃ちゃん!」

話題転換が早いな。


「あれ、今日20日でしたっけ。

道理で寒いわけですね。」


「ホントにねー。学校は?

もう冬期休業に入ったの?」

え、どうしよう。分からない。


「いえ、多分明後日とか…

それくらいから?」

適当過ぎる答え。


「はー…社会人も忙しいけど…

何気に高校生も結構忙しいわよねー。」


「確かに…。」

言われてみれば、忙しい。


「まぁとりあえず

今はお互い頑張ろうか。

またね奏乃ちゃん。」


「はい。また。」




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