イズミの主義

◇花火大会



*泉*



来てほしくないと思っていても時間は過ぎ、花火大会当日を迎えた




家での勉強ははかどらない

時計だけが異常に気になる




行かないと決めているのになぜか気になる桐原

会ってもないのにこんなに振り回される




待ってないとは思うけどもしかしたらって変な期待が心の奥にある



それでもっと気になる






行くだけ…


行って待ってたらダメだから断りに行こう
ただそれだけ…




そう思ってわたしは家を出た


待ち合わせの時間を過ぎてるし待ってないよね…




でもわたしの足取りは速くなる


いつもの最寄り駅までこんな走って行ったことなんかない




ハァハァ


息切れしながら桐原を探す






「いる…」




一点を見つめながら立っている桐原…




「なんで待ってんのよ」


桐原はわたしを見て少し驚いた様子で…

でもすぐにいつもの余裕の笑顔になって



「ほら、こうやって来ると思ったから」


って自信満々に言う




こうやって桐原のペースになる
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