イズミの主義

◆笠木ゆきの攻撃



体育祭が明後日に迫った今日



「ではルールの確認をします

1.正々堂々と戦う
2.……

えっと2は…」



「皆が全力で参加する。だろ」



実行委員長であるわたしと桐原は開会式を任されている


そしてみんなの前で話すことに慣れていないわたしは、みんなが前にいると考えただけでも緊張し、セリフを忘れる




「あ~、それそれ…」


「それそれじゃねーよ」




そして桐原に特訓を受けている



もちろん前みたいなやり取りはなく
ただの実行委員長同士のやり取り




話せるのもあと何日って自覚して、なぜかとてもすがすがしい気持ちになっている



ここまで来たら好きであることを気づかれずにサヨナラしようと思う







だからわたしは今まで通り…




いや、今まで以上に気を使って桐原に接した





「はい、もう一回」



「…」




でもこんなやり取りさえも嬉しくてドキドキしてしまう



そしてこの感情をわたしはグッと押さえつけて気づかないようにする




今までしてきたみたいに…
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