コンパス〜いつもそばで〜
「ふふっ、」
思わず頬が緩む。
彼女の言葉にあの頃と変わらない彼女を見た気がして嬉しくなる。
何も変わってなんてない彼女に、どうしたって頬が緩むんだ。
「名前、忘れてるし」
試験だったら0点だろ
何度も何度も彼女の手紙を読み返す。
あの頃と同じ彼女の文字は、懐かしさと切なさと共にほっこりと胸を温かくさせてくれた。
「お待たせ〜。ヒデ、行こか」
タカシがシャワー室から戻ってきて声をかけた。
「おぅ」
彼女の手紙を丁寧に封筒に入れ、ジャケットのポケットにしまった。