【短編】7
WEDNESDAY
暇なヒマな文芸部。
部室は雑談にしか使わない。
部室の窓からはグラウンドを眺められる。
陸上部の女が一人、蒸し暑い中ひたすらトラックを走ってる。


「ねえ、あの子どう?」
トラックを走りつづける女を指差した。

「オレ却下。火野って元気すぎてニガテなんだ」

「そうかな?僕は好きだな、ああいう子」

拒否の意を示したのは木内充(きうちみつる)、好みだと言ったのは土谷春樹(つちやはるき)。

「カコは火野さん、苦手?」

「水城は火野よりも、火野の幼なじみの金森が気になってんじゃねえの?」

この二人の言うことは、いつも心理に迫っていて否定できない。

「金森と火野さんは付き合ってないから、告ったらいんじゃない?」

その上、取り留めのないことをいう。


「実はね、今、返事待ちなの」


私が二人に告げたとき、二人は意外そうにこっちを見た。

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