ミルクの追憶





「ごめんなさい、愛してるわ、二コラ」


二コラの瞳が揺れた。

クロエは立ち上がり、窓辺のほうへ歩み寄る。



「……ぼく、クロエは、」


混乱しきった二コラがわけもわからずに呟く。



「さよなら、二コラ」


少女は泣きながら優しく微笑むと、“愛してたわ”とだけ二コラに告げて、窓の外へ身を投げた。





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