恋はいっぽから!






…と。


そう思ってはみたものの…






「………。ブレザーを着れば見えないもの。やっぱり…コレで行きましょう。」





脱ぎかけたブラウスのボタンを、しっかりと上まで留めてみる。



18歳になって3日目……。




私は一つ、大人の階段を登ってみる。






「…………。」





どうにも…テンションが上がりきらない。



「……はあ……。」





気を抜くと。



溜め息すら出てしまう…低血圧な朝。






「……これで少しくらい…、先生を誘惑できるかしら。」






考えるのは……、そう、ニシハルのことばかり。







あの日、あれ以来……




先生からの連絡は…、ない。





淡泊なメールの返事、


保健室での……ツーショット。





煮え切らないような…
蟠りを残したような…




微妙な状態のまま、今日に至る訳だが…。




モヤモヤは…


消えるどころか、大きく大きく……膨らんでいた。







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