恋はいっぽから!









朝日が昇り、やわらかい陽射しに包まれた君が……



「ありがとう」と、僅かに笑みを…こぼした。








「…ずっと言いたかったのに…言えませんでした。『ありがとう』って言ったら、何もかも終わりな気がして……。」







それは、いつか俺自身が感じていたこと。



親父にも、母親にも、言えなかった…言葉。



伝えそこなっていた気持ち。



「『ありがとう』はこっちの台詞なんだよ。出会って、好きになってくれて、少々ぶっ飛んでるけど…真っ直ぐにぶつかってくれた。俺ん中で革命を起こしたのは…間違いなく、お前だよ。」






そうなんだ。




君に出会ってから、



人の優しさも、


愛おしいと思う気持ちも、


どうにもならなくて歯痒い気持ちも、



なにもかもをひっくるめて………、


大切にしたいと思えるものを…知った。





…教えてくれた。





















人生は……波瀾万丈。




でも、欲を言うなれば。



君が起こす波乱に…もう少し、巻き込まれていたい。




けどそれは…


まだ君には言えない、僕の………トップシークレット。






< 844 / 1,065 >

この作品をシェア

pagetop