私の恋の相手は幽霊くん。

「俺、父親のこと少しわかったよ」


「うん、私も」


「そっか、どんなこと？」


「昔はここに住んでたみたいだけど、
奥さんと離婚して隣の○○市に引っ越したみたい」


「そうか…」


「篤真は？」


「俺は、この市に住んでいた人と、
父親の同級生だった人に聞いてきた」


全部過去形なのは、きっと亡くなった人だから。


「ここに住んでいたのは確からしい。
離婚して、母親もここを出てちがう市に…」


「そっか」


「父親は、俺に会いたいけど会えない。
そう友だちに話していたらしい」


会いたいけど会えない…。


それは、つまり…


「母親が俺と父親の関係を絶っていたんだ。
きっと、父親みたいになることをコバんでいたんだと思う」


そっか…。


それがあったから、篤真は会えなかったんだ。


「それくらいかな」


「結構、進めたかんじするね」


「そうだな」