私の恋の相手は幽霊くん。
幽霊くんとすれ違い。


私は、見た目が少し幼いせいか、
大学3年生に見られることはない。


だから、大学でもよくいじられる。


ちび、とか。

童顔、とか。


中学からの、親友の佐伯 凛子もそのいじる人の1人。


中庭で、お弁当を広げて凛子はまず量に文句を言う。


「そんな、食べないからちびなのよ」


「うるさいなぁ」


「もう、成長は見込めないか…」


そんなことを言って食べ始める。


「これから当分休めないねー」


「課題とか山積みだしね」


きっと、明日から私と凛子は図書館にこもる。


中学の頃からの仲だから、
近くの図書館まで一緒に行くことができるのだ。


「まぁ、好きでこの学部やってるしね」


「そうだね」


私たちのいる学部はあまり数が多くない。


めずらしい学部に入っていた。


「それより、結愛。」


「ん?」


「行きたいって言ってたバイキングのチケット! お父さんがもらってきてさー」


「え!いいなぁ」


「けど、お父さんそう言うの嫌いだから、
あげるってもらったんだけど行かない?」


「いくいく!」


「じゃ、決定ねー」


凛子のさばさばしてる感じが好きだ。


見た目もきつめ。


性格もサバサバ系。


できる女って感じなのだ。


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