私の恋の相手は幽霊くん。


会社に戻ってくるなり、
坂上くんがびっくりした顔で見てきた。


「お前…その髪」


「さっぱりして来ました。
まぁ、心もスッキリさせたかったんで」


笑うと、坂上くんは険しい表情をした。


「それほんと?」


「え?ホントだよ」


「…嘘つくの下手だな」


「え?」


「篤真のこと言えねえじゃん」


そう言って、編集部に入っていった。


私は国際部に入る。


坂上くんの言葉は図星で。


心にズーんってきたけど、
みんなに髪型を褒められたからそれでいいことにした。


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