私の恋の相手は幽霊くん。


「ごめんね、お待たせしました」


「いえ。大丈夫です」


「ここがあのこの住んでるところよ」


「ありがとうございます」


「…息子さんに。
まぁ、私の孫…ってことかしら」


「そうなりますね」


「ごめんなさいって伝えておいてね」


「どうして…?」


「…孫にまで心配をかけるばか息子で
っていう謝罪よ」


そう言って、悲しそうに笑った。


今、ここにいるのに。


おばあさんには見えていないだけなんです。


もっと、伝えてあげてほしい。


そう思ったけど、時間が来てしまう。


「おじゃましました」


「えぇ」


家から出て思った。


──もう、あの人には会えないんだろうな。


と。


< 59 / 255 >

この作品をシェア

pagetop