先生に会いたい


そんな矢先、桜に会えた。


家族のために生きてきた俺。

でも、ずっと頭から離れなかったお前。


いつの間にか、愛してた。


でも、気付かなかった。

気付かないフリしてた。



桜が咲き誇るあの日。

車内に桜ソングをかけたあの日。


お前に会えたんだ。



何もかもを失った俺。

もう何もない俺には、桜を愛してはいけない理由などない。


頭の中で想うのと、相手の近くで想うのとでは全く違う。


会ってあいつ見たらさ、体中が叫んだんだ。

自分じゃ止められないくらいに、『好きだー!』って。



そんな奴が目の前にいたら、誰だって抱きしめるだろ?


桜が、俺を救ってくれたんだ…。


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