先生に会いたい
「じゃ、行くか。桜ん家、久しぶり!」
先生は、私を家まで送ってくれた。
『寒くないか?』って、暖房の効きを運転しながら確かめてくれたり、何も言わずに私に自分の着ていたジャージをかけてくれたりした。
先生といたら、熱上がっちゃうよ…。
「先生、上がって行って!お母さんいるから!」
家に着くなり、先生の手を家の中まで引っ張った。
先生は、何だか笑顔。
「そうだな。桜の母ちゃんに、あいさつぐらいしとかないとな!」
あいさつ…か。
お母さんには、先生とのことを話しておいたけど、何だか緊張しちゃう。
でも、自分に嘘をついて隠し続けてきたこの気持ちを、今は胸張っていえる。
この人が、私の1番大切な人です、って。