先生に会いたい
「とりあえず、辛くても学校には来い。それがお前の義務だから。それに、お前は1人じゃない。くるみも、俺もいるだろ?何かあったらすぐ俺んとこ来い。」
私は、黙って頷いた。
『俺がいる』
初めて会ったときと変わらない、先生の言葉。
私が不安になったとき、先生は必ずこの言葉をかけてくれる。
この言葉が、どれほど私を安心させてくれているだろうか。
「あとさ、明日会ったら渡そうと思ってたんだけど……」
先生はそう言って、ジャージのポケットから2つ折りにされた紙切れを取り出した。
「それ、俺のケー番とメアド。授業がない日とか会えなかった日は、俺に電話して。心配でしょうがない。」
プリントの切れ端に走り書きされた、先生の番号とメアド。
最高の宝物だよ、先生。
「先生…。本当にありがと。」
先生は、微笑みながら頷いた。