先生に会いたい
「やることが汚すぎるんだよ!なに、いじめとか幼稚なことしてるわけ?」
隠されたジャージを探すのを手伝ってくれていたくるみが、とうとうキレた。
「何であたしらだけに言うの?みんなやってんだから、みんなに言えば?それに、いじめなんて別にしてないし~?」
あきれる。
相手にするだけ無駄だ。
私とくるみは、ジャージをゴミ箱から見つけ出すと、屋上へ出た。
「あ~ムカつく!何あいつらぁ~!」
くるみが雲一つない空に向かって、大声で叫ぶ。
「もういいや。あんな奴らといるくらいなら、いない方がマシ……」
涙が出た。
「桜ぁ……。何で桜がこんな目に合わなきゃいけないのよぉ……」
くるみも一緒に泣いてくれた。
信じてたんだ、愛梨のこと。
好きだった。
されていることなんて、十分耐えられる。
でも、裏切られたことが悲しかった。
誰も悪くない。
愛梨の先生を大好きな気持ちが、間違った方向に進んでるだけ。
言えば良かった。
愛梨が先生を好きだと言ったあの時、私も好きだと言えば良かった。
そしたら、今頃笑ってたのかな。
後悔しても、もう遅いよね……。