誰も信じない
マスターが微笑む意味はわからなかった。



でも失恋したってこと、すっかり忘れていた私は、ハンカチですら愛おしくて、手放したくない気持ちでいっぱいだった。

洗濯して返さなきゃいけないのはわかってる。

でもこの香りをまだ独り占めしたい。

『分身』って考えたら変かもしれないけれど、このハンカチから離れたくないの。




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