誰も信じない

嫉妬

電話の後から、晃一はずっと黙ったままだった。

しかも笑顔じゃなかった。



笑ってよ、晃一。

私に笑顔を向けて?

マナーモードにしていなかった私が悪いの?

はっきり新田さんに、断らない私が悪いの?



車の中はEXILEが流れていたけれど、ずっと沈黙が続いたままだった。

おそるおそる晃一の顔を見たけれど、道路を睨みつけるような表情をしていた。



私はこの重い沈黙が苦しかった。

私がはっきりしないために、私が苦しむのならそれでもいい。




晃一、今すっごく苦しいよね?






ごめんね。







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