誰も信じない
私は営業部を心配しているんじゃないことは、自分でもわかっていた。


廊下で見た、晃一の弱々しい笑顔が、私の脳裏から離れないだけ。


「送ってくれてありがと。」


「当然だろ?俺は美穂を守るって決めたし、一人で帰すのはあぶねーからな。」


「ありがと。じゃあ、おやすみなさい。」


「おやすみ。また明日な。」


一樹とバイバイして、私は自宅に戻った。






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