未来GIRL
「レストランっていわれてもオレ、そういうの疎いから、いい店なんか全然わかんないや」


電車のつり革につかまり、眉間に皺を集めて正直に打ち明けた。


とりあえず渋谷に出よう、ということになり、山手線に乗ったのだ。


当然ながら、ミーは男の乗客の視線を一身に浴びている。


中吊り広告の中で媚を売ってるグラビアアイドルなんかより魅力的だ。


「マモルが使えないことくらい、十分わかってるよ」


窓の景色を眺めながら、人を傷つけるセリフを平然と言ってのけた。


「おいおい、何だよその言い方は。さっきまで猫だったくせに」


「猫だったくせに、とは何よ」オレをキッと睨みつけ「マモルなんて野球しか能のない、頭まで筋肉でできているような運動バカじゃん」と毒舌をはいた。


バールのようなもので後頭部を殴られたような衝撃が響く。
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