未来GIRL
その時、寺の鐘が六時を知らせた。自然とおなかがグーと鳴った。


「今、反射的におなかがすいたんでしょ?」


「そうだけど」


「まさに、パブロフの犬だね」


「だな」


猫の口から犬という単語が飛び出しても驚かない。
繰り返すが、慣れとは恐ろしい。


冷蔵庫を開ける。


我ながらろくな食い物が入ってなかった。


賞味期限の過ぎた卵とヨーグルト、海苔の佃煮と鮭フレーク。
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