天使の毛布
双子で、しかも妹ながらナツミはその意味がわかった。
ブランケットとはつまりブランケットしょうこうぐんのこと…いつも特定の物を持っていないと落ち着かないせいしんびょうのことだ。
「ブランケットー!!」
ナツキは部屋のあらゆるものを引っぺがして、そのブランケットくんを探し始めた。
あんな大きなものだもの、しかもいつも持ち歩いているんだから、そう遠くまで行く筈はない。
「ねえ、もしかして昨日どこかに置き忘れたんじゃないの」
「俺がブランケットを忘れるわけないだろー!!」
「じゃあ、誰かが盗んだ?」
「!!!」
ナツキは愕然として、手にしていたおもちゃの箱を床におっことした。
角を足にぶつけてぴょんぴょん飛び跳ねる。
…そうだ、もしかしたら盗まれたのかもしれない。
ブランケット症候群なら手放した途端にパニックになるだろうし、それに見慣れているから気付かなかったが、昨日寝る時もちゃんとクマはいた気がする。
「おおお俺のブブブブランケットがあああっ!」
「落ち着きなさいよ」
青ざめた兄の顔に、とりあえず苺柄の枕を投げつけた。