私とテニスとあいつらと

悪夢

「へー。そんなに凄い人たちばっかりなの？テニス部って」

私がその友人に尋ねると、その友人の動きがぴたっと止まって、私を見て瞬きを数回した。

「え？だって、美月、今日あったじゃん」
「どこで？」
「校門のところで」
「いつ？」
「朝」

その瞬間、私の思考が完全にストップ。
もしや・・・と思い、友人に「もしかして、今朝私が会った９人のこと？」と尋ねた。すると友人は、「そうだよ？だからさっき言ったじゃん！」と普通に返してきた。

「え、なんて？」
「だから、テニス部の人たちといろいろって」

その言葉を聞いて、私は数分前のことを必死に思い出す。




『ねー、美月！』
『んー？なに？』
『今日の朝、テニス部の人たちといろいろしてたでしょ！』


・・・・確かに言ってました。

わかったぞ！だからさっき「テニス部」の単語で違和感を覚えたんだ！

「・・・確かに言いましたね」
「でしょー？」

私のその言葉を聞いて友人はなぜか勝ち誇ったような顔をしていた。

「そういえば連 前にテニス部って言ってたな…」
「そうだよ！岩本君テニス部なんだよ！しかもレギュラー！！」

友人が楽しそうにテニス部レギュラー陣について語っていると予想もしない出来事が…。

ピンポンパンポーン…
『１年、井上美月。至急 男子テニス部 部室まで。繰り返します…』


なんと放送で呼び出されました。