私とテニスとあいつらと
俺様男とレギュラー陣
「美月・・・」

ひたすら謝っている私を見ていられなかったのか、連が心配そうに近寄ってきた。

「おい幸田。こいつも反省してるようだしよ、もう帰してやってもいいんじゃねーか?」
「だよねー!美月かわいそーだし」

なんと連に続いて、あの篠本まで私を庇ってくれた。

「おい、女」

幸田にいきなり話し掛けられた私は、肩をギクッっとさせる。

「な、なんでしょうか・・」
「お前、何か部活に入ってるのか?」
「いえ何も」
「そうか・・・」

ひたすらに謝っていた時の私はどこへ行ったのか、心の中では「もう帰りたいなー」などと考えていると、幸田の口から私の生きてきた人生15年間のうち、一番衝撃的な言葉が出てきた。

「じゃあお前、テニス部のマネージャーやれ」
「はァあ?!!」

あまりの驚きと衝撃のせいで声が裏返ってしまった。

「ちょっ、ちょっとあんた!何勝手にゲホッゴホッ!決めて・・ゴホッゴホッ!!んのよ!」

そして大きな声を出しすぎたせいで、唾が器官に入り込む。

「ふんっ。俺の率いる部活のマネージャーができるんだ。どんなに喜んでも足りねえくらいだぜ」

そう言って幸田は自分の座っていたイスに座り、踏ん反り返っている。



うん。このまま泣いて土下座した方が全然いいくらい嫌な気分です。


「部長決定事項ゆえ、反論は許さねえからな」

その自己中心的な言葉を聞いた私の感情をストレートに一言で言いあらわすと

殺意

ですね。








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