淡夢【短編集】
外に出ると、溶けかけの積もった雪が光を反射して眩しかった。


待ち合わせの公園に行くと、君はいつものように笑顔でこっちを見た。


この笑顔を見ることができるのも今日が最後なんて……


いくら知恵をふり絞っても、考えれない。


「早かったね」


「お前がいっつも20分前に来るから、それに合わせただけだよ」


「ふふっ」


君は子供のように明るい笑顔を見せた。


「じゃあ行こうか」


僕は君の手を握り、近くのレストランに入って昼食を取った。


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